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オーラが物凄い!歴代の超イケメン映画5選

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テーマ別5選の森

※以下の記事は作品の魅力を紹介するため最小限のネタバレを含みます。あらかじめご了承ください。

☆太陽がいっぱい

  • 『太陽がいっぱい』
  • 脚本
    ポール・ジェゴフ/ルネ・クレマン
  • 監督
    ルネ・クレマン
  • 主な出演
    アラン・ドロン/マリー・ラフォレ/モーリス・ロネ
  • 1960年/フランス・イタリア/118分

あらすじ

アメリカの大富豪の息子フィリップ(モーリス・ロネ)は、パリ娘の婚約者マルジュ(マリー・ラフォレ)とともに、イタリアで遊び暮らしている。
彼には弟分のような存在がいて、買い物や料理や代筆など、面倒なことはすべてその男にやらせている。

孤独な目をしたその青年は、トム・リプリー(アラン・ドロン)。
いっしょに行動するフィリップの奔放で傲慢な振る舞いに戸惑いながら、彼への羨望を隠しきれない。金持然としたその仕草をときおり真似てみるが、貧しい生まれの宿命か、どうにも板につかないのだ。

トムは実はアメリカでフィリップの父に雇われ、息子を連れ帰るように依頼されていた。首尾よくミッションを達成すれば、5,000ドルの報酬を受け取る約束だった。
だが当のフィリップに帰国の意思はまったくなく、手持ちの金を使い果たしたトムは、彼の金を当てにして使い走りに精を出すしかなくなっていた。

そんな折、フィリップのクルーザーで旅に出たトムは、人生を一発逆転する賭けを思いつく。
彼を殺してその財産を奪い、美しい婚約者マルジュまでも手に入れる。

トムは、マルジュにフィリップが浮気していると思い込ませ、激しい言い争いを起こさせる。傷ついたマルジュは最寄りの港で下船することになり、トムとフィリップは2人でクルーザーの旅を続けることになる。
大海原でフィリップと2人きり‥‥。

トムはついに、計画を実行に移すときがきたのだと感じた。
だが、フィリップは薄々トムの計画に気づいていたのだった‥‥。

出典:ポスターより

R・クレマン渾身のサスペンス

ルネ・クレマンといえば、戦争の悲惨さを純真な子供たちを通して描いた『禁じられた遊び』(1952年)で有名なフランス映画界の巨匠です。エミール・ゾラの小説を映画化した『居酒屋』(1956年)などの文芸作でも知られています。

本作以降はサスペンスに魅力を見出したのか、『パリは燃えているか』(1966年)のようなオールスターキャストによる戦争映画を手がける一方で、謎の男チャールズ・ブロンソンに付きまとわれる若き人妻マルレーヌ・ジョベールの冒険を描いた『雨の訪問者』(1970年、レビューはこちら)、マリア・シュナイダーとシドニー・ロームを起用して、2人の女性の数奇な出会いを描いた『危険なめぐり逢い』(1975年)など、サスペンスの傑作を多く残しています。

パトリシア・ハイスミスの小説を原作とする本作では、イタリアの光り輝く太陽のもと、貧しく孤独な青年の中に湧き上がる暗い野望にスポットを当て、危険で魅力的な人物像を作り上げました。
伝統的なリアリズム的撮影手法の中に、サスペンスを意識した不安定で荒々しいカメラワークや構図を採用し、ぐいぐいと観る者を引き込んでいきます。

その技の冴えと拮抗する劇中の音楽もまた見事な出来栄え。
こちらはイタリアの作曲家ニーノ・ロータの手になる逸品です。『道』(1954年)、『甘い生活』(1959年)などのフェリーニ監督作品や、『ゴッドファーザー』(1972年)で知られる映画音楽界の名匠ですが、こちらの技巧も冴え渡り、孤独な青年の野望とその運命というか宿命のようなものを、悲しい調べで包み込んでいくのです。

その主人公を演じたアラン・ドロン。
当初の配役では大富豪の息子フィリップを演じる予定で、貧しい青年トムに決まっていたのはモーリス・ロネだった、と伝わります。

撮影に入る前にアラン・ドロンと初めて会ったルネ・クレマン監督が、2人の役を入れ替えてしまったのだとか。
巨匠の好判断というか、監督の最大の功績、とも言えるのではないでしょうか。

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A・ドロンを世界に知らしめた傑作

アラン・ドロンは1935年パリ郊外の生まれ。
4歳のときに両親が離婚。その後それぞれに再婚と、複雑な家庭環境下で寄宿学校を転々とするも、14歳で働き始め、17歳でフランス海軍に入隊して第一次インドシナ戦争に従軍。20歳で無事除隊後、2年ほどさまざまな職業を転々としているときにスカウトされ、映画界へ。

というようなプロフィールが知られています。

まるで、本作のトム・リプリーの22歳までの出来事。そう言ってもおかしくないような、そんな経歴ですね。
大富豪の放蕩息子よりも、似合うのは身寄りのない貧しい青年‥‥。

美しいブルーの瞳の奥にある暗い翳りを見落とさなかったレネ・クレマン監督、そう確信したに違いありません。
そして、アラン・ドロンがどれほど見事に監督の期待に応えたかは、本作を鑑賞していただければ一目瞭然。

本作によって、世界中が、アラン・ドロンという美青年の存在を知ることとなったのです。
アラン・ドロン、25歳のときでした。

イタリアの映画監督ルキノ・ヴィスコンティが本作を観て、自分の作品にアラン・ドロンを起用するようになったのは有名な話です。『若者のすべて』(1960年)、『山猫』(1963年)といった作品がこうして生み出されました。

そのあとも、名優ジャン・ギャバンとの共演が話題になった、アンリ・ヴェルヌイユ監督の『地下室のメロディ』(1963年)。ロベール・アンリコ監督の『冒険者たち』(1967年)。ナタリー・ドロンのデビュー作となった、ジャン=ピエール・メルヴィル監督の『サムライ』(1967年)。チャールズ・ブロンソン、三船敏郎との世界3大スター共演となった、テレンス・ヤング監督の『レッド・サン』(1971年)と、その活躍は続いていくことになります。

世界中が認めた非の打ちどころのない美貌。
しかし、彼の魅力はそれのみにあらず。
完璧とも思える美しい姿に、そこはかとなく付き纏う影のような危うさ。
あるいは、脆さ。また、儚さ。

そういった彼の魅力のすべてが見事に引き出され、存分に味わうことのできる本作。
巨匠ルネ・クレマン渾身のサンスペンスであり、アラン・ドロンの出世作にして代表作。
そう言い切って間違いはないと思います。

大海原で思い描いた完全犯罪。その実現のために注がれた彼の努力と情熱。
ついに財産も彼女も手に入れた。
その確信と達成感と絶頂感‥‥。
恍惚の中で、シャンパンの泡のように静かに浮上する彼の運命。いや、宿命。

この青年の中にあったのは、結局のところ金銭への執着ではなく、愛への切望だったのかと、アラン・ドロンの人生を重ねてみたくなるのも、本作の傑作たる所以でしょう。
特に、結末まで描かないエンディングは、いつまでも心に残り、秀逸です。

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☆ホリデイ

  • 『ホリデイ』
  • 脚本・監督
    ナンシー・マイヤーズ
  • 主な出演
    キャメロン・ディアス/ケイト・ウィンスレット/ジュード・ロウ/ジャック・ブラック
  • 2006年/アメリカ/135分

あらすじ

ハリウッドで映画の予告編制作の仕事をしているアマンダ(キャメロン・ディアス)は、浮気した恋人と別れ落ち込んでいた。
肩を震わせて大泣きしようとしたが、涙が一滴も出ないことに気づくアマンダ。15歳のときに両親が離婚して以来、悲しいことがあっても涙を流したことがないのだった。

そこでアマンダは、一念発起して休暇をとり、旅に出ることに。
インターネットで探し当てた可愛いコテージ。その主は、ロンドン郊外に住むアイリス(ケイト・ウィンスレット)だった。2人はメールのやり取りで互いの家を交換することにして、翌日から旅に出た。

牧歌的なコテージ。
到着から数時間ですっかり退屈してしまったアマンダだが、妹の留守を知らずに深夜に訪ねてきたアイリスの兄グレアム(ジュード・ロウ)に一目惚れしてしまう。
しかし、超がつくほどイケメンの彼には、常に複数の女性の影が付き纏うのだった‥‥。

出典:DVDパッケージより

J・ロウはイギリス系イケメンの代表格

ビートルズの「ヘイ・ジュード(Hey Jude)」にちなんで名付けられたというジュード・ロウは、1972年ロンドンの生まれ。10代からテレビドラマや舞台で経験を積み、『バイオハザード』シリーズでお馴染みのポール・W・S・アンダーソン監督の監督デビュー作となった『ショッピング』(1994年)で、劇場映画デビューを果たしています。

彼の出世作となったのが、アンソニー・ミンゲラ監督の『リプリー』(1999年)。
これはアラン・ドロンの出世作である『太陽がいっぱい』(1960年)のリメイク、というか同じ小説の映画化作品なのですが、なんだかイケメン俳優のバトンリレーを見るような、不思議な縁のようなものを感じるエピソードです。

もっとも彼が演じているのは、主役のトム・リプリーではなく大金持ちの放蕩息子の方で‥‥、この役によってスマートで洗練されたイギリス系イケメンとしての彼の魅力が高く評価され、第72回アカデミー賞で助演男優賞にノミネートされています。
ちなみにこのとき孤独な青年トムを演じたのは、マット・デイモン。放蕩息子のフィアンセ役は、グウィネス・パルトローでした。

ジュード・ロウはその後も、『コールド マウンテン』(2003年)の演技でアカデミー主演男優賞にノミネート。
さらに『シャーロック・ホームズ』(2009年、レビュー記事はこちら)ではワトソン医師、『ファンタスティック・ビースト』シリーズではダンブルドアと、印象的な活躍が続いています。

さて、そんな彼が本作で演じているのは、翳りも憂いもなく、甘いマスクと優しい性格の超本格派イケメン。
しかも、死別した妻に代わって男手ひとつで2人の小さな娘を育てる、超涙もろい「イクメン」でもあったのです。彼の携帯にしょっちゅう電話してきていたのは、2人の娘たちだったのですね。

つまり、女性の影はまったくなし。
ということは、超がつくほど完璧な優良イケメン。

危険な香りのするアラン・ドロンのようなイケメンもいいですが、心を癒してくれるのはこちらのタイプかもしれません。
あなたがもし女性なら、ハリウッドから傷心を抱えてやってきた主人公アマンダになったつもりで、ジュード・ロウのイケメンぶりに癒されてみてはいかがでしょうか?

SNSなどでは、クリスマス・シーズンが近づくと本作を観たくなる、という女性映画ファンの投稿をよく見かけます。
とてもよくわかるし、それこそが映画との正しい付き合い方。映画の効能とはそういうもの、とモリゾッチは思うのです。

なお、本作のもう少し詳しいレビューが読みたいという方は、こちらをご参照ください

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☆タイタニック

  • 『タイタニック』
  • 脚本・監督
    ジェームズ・キャメロン
  • 主な出演
    レオナルド・ディカプリオ/ケイト・ウィンスレット/ビリー・ゼイン/フランシス・フィッシャー
  • 1997年/アメリカ/194分

あらすじ

1912年4月、史上最大の豪華客船タイタニック号は、イギリスのサウサンプトン港からニューヨークへ向けて、処女航海に出発した。「夢の舟」と謳われたその客室には、文字通り、新天地アメリカでの成功を夢見た多くの人々が乗り込んでいた。

三等客室のジャック・ドーソン(レオナルド・ディカプリオ)もその中のひとりだった。
賭けポーカーに勝って手に入れた乗船券が、自分の運命を変えてくれると彼は信じていた。画家志望の彼は、貧しいながらも希望を捨てず、まっすぐに未来の成功を夢見ていた。

そんなジャックが、デッキでひとりの女性に目を奪われる。
彼女の名はローズ(ケイト・ウィンスレット)。
だが、彼女の事情は、ジャックやほかの多くの乗客たちとはかなり違っていた。

なぜなら、彼女は鎖で繋がれるためにこの船に乗ったも同然だったからだ。
名家だが破産寸前の家族を救うため、母ルース(フランシス・フィッシャー)が決めた婚約者がアメリカの大金持ちのキャル(ビリー・ゼイン)だった。
彼女にとってこの船は、好きでもない男のもとに嫁ぐための奴隷船なのだ。

ある夜、彼女は絶望のあまり海に身を投げようとするが、それを助けたのがジャックだった。
この出会いが、2人の運命を大きく変えることになる。
身分や境遇は関係なかった。すぐに惹かれ合い、お互いがお互いにとって大切な存在になった。もはや、離れることのできない関係になった。

だが、このときすでに、タイタニックの進路には巨大な氷山が横たわっていたのだった‥‥。

出典:DVDパッケージより

レオ様人気を不動のものにした名作

映画ファンならずとも、知らない人はいないとさえ言われる歴史的な大ヒットとなった本作は、『ターミネーター』(1984年)のジェームズ・キャメロン監督が、1912年に実際に起きた海難事故を題材にして描いたラブストーリーです。

完全主義者で知られる監督らしく、妥協のない時代考証で本物の再現にこだわった結果、製作費は2億ドル(当時史上最高額)に上ったと伝わります。ほぼ実物大のタイタニック号(全長は本物より27mだけ短い236m)のセットを作成し、沈没シーンを撮るためにメキシコのリゾート地に広大な専用スタジオまで建設しました。

そして、大方の予想を裏切る商業的な大成功。
全世界の初動興行収入は18億4,000万ドル余りとなり、これはキャメロン監督の『アバター』(2009年)に抜かれるまで、史上最高記録であり続けました。

受賞歴も凄まじく、第70回アカデミー賞では実に14部門にノミネートと、『イヴの総て』(1950年)の歴代最多ノミネート記録に並びました(ちなみに第89回アカデミー賞の『ラ・ラ・ランド』は歌曲賞に2曲がノミネートされたため、13部門ですが14ノミネートと、ノミネート数だけは最多タイ記録でした)。

そのアカデミー賞、本作は14部門中、作品賞と監督賞を含む11部門で受賞。これまた、『ベン・ハー』(1959年)のもつ単一作品での最多受賞記録に並ぶことになったのです(のちに2003年公開の『ロード・オブ・ザ・リング /王の帰還』が第76回アカデミー賞において、11部門受賞のタイ記録を達成しています)。

そんな記録づくめの大ヒットとなった本作ですが、主役を務めた2人は23歳と22歳(レオ様が1歳上です)。とてもフレッシュで、それだけにみずみずしい表現力で、過酷な運命に挑む2人を力強く演じています。

本作の最大の魅力は何かと問われれば、スケールの大きさ、セットの豪華さ、当時を完全再現した美術道具の凄さもさることながら、やはり若い主役2人の魂のこもった熱演を挙げる人は多いと思います。かくいうモリゾッチもそのひとり。

ですが‥‥、皮肉なことに、アカデミー賞では俳優部門での受賞はひとつもありませんでした。
ケイト・ウィンスレットは主演女優賞にノミネートされますが受賞を逃し、レオ様に至っては、ノミネートすらされていません。

そんなバカな、とお思いでしょうが‥‥。
この年の主演男優賞がジャック・ニコルソン(『恋愛小説家』)。ノミネートされていたのは、ダスティン・ホフマンやピーター・フォンダなど、と聞けばどうでしょう?

とても言いにくいですが、この時代はまだまだ年功序列的な、権威主義的な選考が行われていた、と。つまり、平たく言えば、上が詰まっていた的な事情が想像されます。
逆に言えば、レオ様はあまりに若くして、その才能を発揮する舞台に恵まれてしまった、ということなのかもしれません。

彼が悲願のアカデミー主演男優賞を受賞するのは、それから約20年後。第88回アカデミー賞の授賞式で、作品は『レヴェナント: 蘇えりし者』(2016年)でした。
助演女優賞候補として会場にいたケイト・ウィンスレットが大喜びする姿が印象的でした。本作の共演以来良き友人関係と伝わる2人らしい、微笑ましい光景だったと思います。

『ギルバート・グレイプ』(1993年)、『ロミオ+ジュリエット』(1996年)に続いて、ホップ・ステップ・ジャンプの三段跳びのように、レオ様を一気に世界の頂点に押し上げた本作。
23歳のレオ様のポテンシャルがいかほどのものであったのか、未見の方は、ぜひご自分の目でご確認ください。

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☆DUNE/デューン 砂の惑星

  • 『DUNE/デューン 砂の惑星』
  • 脚本
    エリック・ロス/ジョン・スペイツ/ドゥニ・ヴィルヌーヴ
  • 監督
    ドゥニ・ヴィルヌーヴ
  • 主な出演
    ティモシー・シャラメ/レベッカ・ファーガソン/オスカー・アイザック/ジェイソン・モモア/ゼンデイヤ/ハビエル・バルデム
  • 2021年/アメリカ/155分

あらすじ

遥か遠い未来の宇宙。
そこは中世ヨーロッパのように、ひとりの皇帝と星々を治める領主たちとの主従関係で成り立つ世界であった。

砂に覆われた惑星アラキスは別名デューンと呼ばれ、宇宙で最も有用な物質とされるメランジという香料を産出する唯一の星として知られていた。
長い間アラキスはハルコンネン家の領地とされてきたが、あるとき皇帝の命により、ハルコンネン家は領主の座を追われることになる。代わってアラキスを治めることになったのが、アトレイデス家だった。

ポール・アトレイデス(ティモシー・シャラメ)は、アトレイデス家の当主であるレト(オスカー・アイザック)と母ジェシカ(レベッカ・ファーガソン)の間に生まれた。
父母や忠臣ダンカン(ジェイソン・モモア)らともにアラキスへ赴いたポールは、その星の砂の中に潜む巨大な砂虫(サンドワーム)と、フレメンと呼ばれる砂漠の民の存在を知る。

ある日父レトとポールは、ダンカンの導きによりフレメンの部族長であるスティルガー(ハビエル・バルデム)と対面する。アラキス統治への協力を要請するレト。
だがスティルガーは、我々の住処である砂漠にはいっさい近づくな、と言い放つのだった‥‥。

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ティミーの代表作になる予感

ティモシー・シャラメは1995年、アメリカ・ニューヨーク州の生まれです。フランス人の父とアメリカ人の母をもち、自身はその両方の国籍を有しています。
10代の頃からアメリカのテレビドラマやCMで経験を積んできました。

『君の名前で僕を呼んで』(2017年)の演技が絶賛され、いきなりアカデミー主演男優賞にノミネート。このとき相手役のアーミー・ハマーが「ティミー」と呼んでいたため、この愛称が知られるようになりました。

同年の『レディ・バード』(2017年)、『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(2019年)とグレタ・ガーウィグ作品でのヒットが続き、満を持して臨んだのが、映像化は困難と言われ続けてきた本作の主演だったのです。

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督によって3部作として構想されたこの企画ですが、第1弾となる本作の結果はみなさんもご存知の通り。日本では第2弾の公開を間近に控え、今からソワソワしているファンの方も多いことと思います(この記事は2024年3月5日に書いています)。

原作は、アメリカのSF作家フランク・ハーバートによって1965年に発表された小説。すでに多くのSF作品に影響を与えてきた原作だけに、映像化のハードルは相当高かったはずですが、最新の技術を駆使した見事な映像が並び、本格SFエンタテインメントとして高い評価を得たのも、うなずけるところです。

そんな映像技術の進歩と並んで、困難な原作の映像化を成功に導く最大の要因となったもの。それは、ティモシー・シャラメという主役の存在ではないでしょうか。

実はアラキスへの領地変えは、皇帝とハルコンネン家が仕組んだ陰謀で、ポールたちアトレイデス家は慣れない領地で奇襲攻撃を受け、滅亡の危機に追い込まれます。ポールと母は命からがら2人乗りの小型機で砂漠の奥深くへ。そこには、あの砂漠の民フレメンたちがいて‥‥。

そんな展開の中で、人を意のままに操る「声」や恐怖をコントロールする術など、精神世界の話がよく出くる本作(この物語がこれまで多くのSF作品に影響を与えてきたのは、こうした要素がとても魅力的だからに違いありませんね)。
そうした場面で、ティモシー・シャラメの中性的な風貌が抜群のリアリティと存在感を発揮します。

劇中で何度も暗示される「救世主」のイメージに、これほどピッタリな役者はほかにいないと思います(なお、本作に関するさらに詳しいレビューは、こちらからご覧いただけます)。

かつてレオナルド・ディカプリオから「スーパーヒーロー映画とハードなドラッグには手を出すな」とアドバイスされたことをインタビューで明かしているティミーですが、彼がこのアドバイスを守り続けるとすれば‥‥。
本シリーズは彼の代表作となる可能性が極めて高い。そう言って、間違いはないでしょう。

まもなく公開の『デューン 砂の惑星 PART2』(2024年)がどのような出来映えで、私たちを楽しませ、驚かせてくれるのか。そしてさらにその先の第3弾で本シリーズがどのように完結するのか。
ティモシー・シャラメ演じるポールがどのように覚醒し、宇宙を導いていくのか。
楽しみは、尽きません。

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☆トップガン

  • 『トップガン』
  • 脚本
    ジム・キャッシュ/ジャック・エップス・ジュニア
  • 監督
    トニー・スコット
  • 主な出演
    トム・クルーズ/ケリー・マクギリス/ヴァル・キルマー/アンソニー・エドワーズ/トム・スケリット
  • 1986年/アメリカ/110分

あらすじ

ピート・ミッチェル(トム・クルーズ)は、アメリカ海軍の戦闘機F-14の若きパイロットである。お互いのことをコールサインで呼び合う海軍では、彼は「マーヴェリック」と呼ばれている。心優しいレーダー要員のグース(アンソニー・エドワーズ)とコンビを組み、天才的で型破りな操縦センスを駆使して任務を遂行中だ。

ある日、実績が認められてアメリカ海軍戦闘機兵器学校(通称トップガン)へ送り込まれたマーヴェリックとグースは、教官であるヴァイパー(トム・スケリット)の厳しい指導のもと、アイスマン(ヴァル・キルマー)らのライバルたちと日々技能を磨きあい、成績を競い合うことになる。

そんな厳しい日々だが、パーティーの席で教官と知らずに口説いたことがきっかけで、女性教官のチャーリー(ケリー・マクギリス)との交際をスタートさせるマーヴェリック。
恋愛と訓練と、トップガンでの充実した時間が過ぎていく‥‥。

そんな矢先、編隊飛行の訓練中にアイスマン機の後方乱気流に巻き込まれたマーヴェリック機は操縦不能となり、やむなく機体からの緊急脱出を試みるが、空中でキャノピー(操縦席を覆う窓)と衝突したグースは帰らぬ人となってしまう。

マーヴェリックが責任を問われるような事故ではなかったが、親友でもあったグースを失った悲しみは癒えず、その日以来、マーヴェリックのあの天才的な飛行は影を潜めた。
失意の彼は、ただの気弱なパイロットになってしまったのだった‥‥。

出典:ポスターより

魅力全開のトムが眩しい!

実に36年ぶりの続編となった『トップガン マーヴェリック』(2022年、レビューはこちら)の大ヒットの記憶もまだ生々しいですが、こちらはその若かりし日のマーヴェリックを描いたオリジナルです。監督は『ブレードランナー』(1982年)のリドリー・スコットの弟、トニー・スコットが務めました。

ご存じトム・クルーズといえば、1962年アメリカ・ニューヨーク州の生まれ。12歳のときに両親が離婚したため、10代のころは経済的に恵まれていなかったことが知られています。
そんな彼が高校時代に演劇に興味を持ち、『卒業白書』(1983年)で脚光を浴びます。

そして本作の世界的なヒットがあり、同年の『ハスラー2』(1986年)、『カクテル』(1988年)、『レインマン』(1988年)、『7月4日に生まれて』(1989年)と立て続けに大ヒット。
文字通り、押しも押されもせぬ世界のトップスターの地位を確立することになったのです。

その後の活躍は周知の通り。
特に『ミッション: インポッシブル』(1996年)以降はプロデューサー業にも進出し、同時にアクションスターとして新たな一面を切り拓いていきます。

その切り拓き方がハンパないのは、よく知られていますが‥‥。
命懸けのスタントシーンを自ら演じるという、これはもう言葉の矛盾ですか、と言いたくなるやら(スタントマンを使っていなくてもスタントシーンと呼ぶのは正しいのか?)、やっぱりならないやら‥‥。

つまり、たとえ危険なアクションでも自分の役は自分でやる、という極めてシンプルな演技方針を立て、律儀に頑固に、そして見事に完璧に実行し続けて、前人未到というか、唯一無二の境地に到達しようとしています。

それがどんな危険なアクションか、ご覧になってない方のために一例を挙げるとすれば‥‥。
たとえば、世界一高いビルによじ登るとか、離陸する輸送機にしがみつくとか、飛行機(もちろん飛行中のです!)の上で立ち上がるなどなど。トムのこんなチャレンジを見せられれば、劇場に足を運ばないわけにはいきませんよね。

こうして、世界トップのイケメンスターだったトム・クルーズは、他の追随を許さない、世界トップのアクションスターとなったのです。

前述の『トップガン マーヴェリック』(2022年、レビューはこちら)では、本物のF-18戦闘機に乗って撮影したトム。その36年前のオリジナルである本作の撮影では、生まれて初めてバイクの運転に挑戦したことが知られています。

車好き、バイク付きで、プロのレーサーも顔負けの運転技術で知られるトムですが(彼の名前を聞いて、数々のバイクアクションを思い浮かべる方は多いと思います)、その原点となったのが本作だったのですね。ケリー・マクギリスを後ろに乗せて彼が走らせたカワサキGPZ900Rは、日本のバイクファンの間でも人気沸騰、垂涎の的だったといいます。

というわけで本作、イケメンスターとしてだけでなく、アクションスターとしてのトム・クルーズの原点でもあり、恋愛、挫折、苦悩、再起という人生の普遍的なテーマを、胸に残る数々の名曲とともに描いた、青春映画の傑作です。

魅力全開でスターダムを駆け上がっていくトムの勢いを、これほど感じられる作品はほかにないと思います。

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モリゾッチ

モリゾッチ

10代からの映画熱が高じて、映像コンテンツ業界で20年ほど仕事していました。妻モリコッチ、息子モリオッチとの3人暮らしをこよなく愛する平凡な家庭人でもあります。そんな管理人が、人生を豊かにしてくれる映画の魅力、作品や見どころについて語ります。

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